主将を務めるセンターの山下昂(こう)さん(31)は「粘り強い防御が優勝の要因。試合後、相手からは『2年前とは別のチームになっていた』と声をかけられた」と誇らしげに振り返る。大学の先輩後輩などのつながりで教員以外の選手も入っているが、決勝で先発した15人のうち12人は学校の先生。山下さんも教員で、旭丘高で保健体育を教え、同高のラグビー部監督も務めている。
旭野高から本格的にラグビーを始め、筑波大では2年からレギュラーとして活躍した。4年時には、後に日本代表となった福岡堅樹選手(28)とプレーし、全国大学選手権で準優勝した。筑波大大学院で学んだ後、教員として故郷の愛知に戻ってきた。クラブが強くなってきたのはその頃から。山下さんの兄で、トップリーグの福岡サニックスでプレーした経験を持ち、現在、春日井高教員の岳(がく)さん(35)ら実力者が集まってきた。全体練習は週1度程度。グラウンドを持つ大学チームに合同練習を依頼するなど、会場の確保には常に苦労しているが、2年前、悲願だった全国クラブ大会出場の切符を初めてつかんだ。
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で勤務先の学校が休校となるなど、メンバーも心配が絶えなかった。それでも大会の優勝を目指し、各自が「この時期に他チームに差を付けよう」とトレーニングに励んだ。中京大や東海大を卒業したばかりの若いFW選手が加入し、課題だったスクラムが安定したことも躍進につながった。
クラブの歴史は古く、約70年前に発足したという。仕事との両立に加え、コロナ禍も乗り越えて輝かしい1ページを刻んだ。
記事掲載元リンク 朝日新聞digitalは残念ながらリンクが切れているようです。
ラグビーマガジン2月号に記事が掲載されています。
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